Planetarium SS置き場

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


* 「スポンサー広告」目次へ戻る
*    *    *

Information

□ 静留×なつき □

線香花火と静留の願い

静留なつき
夏休み特別企画とかほざいてたモノです




「ここの花火大会終わったら、もう夏も終わりという気ぃしますなぁ、なつき?」 
「そ、そうだな」 
 2人はうちわ片手に浴衣姿で土手を並んで歩いている。 
 いつものように静留がなつきの腕に自分の腕を絡めて離れようとしない。 
「なつきの誕生日も済んでしまいましたしなぁ」 
 ふぅっと夜空を見上げながらため息をつく静留。 
 花が咲き誇った後の余韻がかすかに残った夜空。 
「なぁなつき?うち…来年の夏もなつきと一緒におれますやろか?」 
「な、なんだよ急にっ好きにしたらいいだろっ」 
「いややわぁなつき冷たいわぁ」 
 言うとなつきの腕に頬をすり寄せてスネるフリをする静留。 
「ってか去年も同じこと言ってなかったか?」 
「覚えてくれてたんどすか?」 
 ぱぁっと嬉しそうに顔を輝かすとなつきをまっすぐ見つめる。 
「うっ、そ、そりゃぁまぁ」 
「うれしおすなぁ、なつきがうちの言うたことちゃぁんと覚えてくれてたのが」
 ふふっと微笑むと、ぱたぱたと胸元でうちわを扇ぐ。 
「うちはなつきとおれたらそれでいいんどす、隣におってくれるのはなつき以外いりまへん」 
「去年の夏は取り巻き連れて海にいたのにな」 
 ニヤリと笑みを浮かべて見上げ、静留の告白をサラっと流す。 
「あれは!生徒会の打ち上げやったからしょぉなかったんどす」 
 心なしか少し頬を紅潮させると、必死で弁解する。 
「静留にサンオイルを塗る権利争奪戦があったらしいな」 
「そんな大げさなもんやありまへん…まぁ塗りたい言いますから…誰から聞いたん?」 
「舞衣だ」 
 そうどすか…と呟くとなぜか静留の顔に笑みが浮かぶ。 
「なんだ?」 
「そういえば去年の夏、なつき…」 
 ぎくっ 
「ええもん見せてくれはりましたよなぁ」 
「わぁぁぁっわぁわぁわぁーーーっヤメロ!言うな!」 
 なつきの生涯の汚点のひとつを口にしようとする静留を必死で阻止しようと大声で叫ぶ。
「ふふっなつき、もうあないなこと人前でせんようにね、あ、でもうちの前でやったらええよ」 
「ばかっだ、誰がするかっ」 
 顔を真っ赤に染めたなつきは、ぷいっとそっぽを向く。 
 と、視線の先にぼちぼちと片づけを始めている屋台が目に入った。 
「ちょっと待ってろ、静留」 
「え?」 
 タタッと静留の腕をほどくと屋台に駆け寄る。 
 袂から財布を出すと何やらおじさんとやりとりしていたかと思うと何やら受け取って駆け戻って来た。 
「何やのん?」 
「花火やろう、静留」 
「花火?これからどすか?」 
「そうだ、あの橋の下がいいな」 
 静留の手を取ると先に立ってゆっくりと土手の階段を降りる。 
「これ売れ残ってたみたいだから買ってきた」 
 なつきが差し出したのは、竹の先に黒い火薬のついた線香花火だった。 
「そうですか、ほなやりましょか」 
 ニッコリ微笑む。 
 なつきは風で消えてしまわないように気を使いながらろうそくに火を灯すと、花火を静留にひとつ渡す。 
「おおきに」 
 浴衣の袖に火がつかないように少しまくると、そっとろうそくに近づけた。 
 パチっパチパチッ 
 小さな火花を散らして花が咲く。 
 なつきも同じように近づけると、すぐに同じような花が咲き始めた。 
「キレイどすなぁ」 
「そうだな、わたしは花火の中では線香花火が一番好きなんだ」 
「そうなん?なつきは打ち上げ花火みたいな派手なんが好きなんかと思ってましたわ」 
「ん、こいつは細くて小さな花火のくせに一生懸命キレイで優雅な花を咲かせるからな…昔母さんとよくやった」 
「そう…」 
 と、寂しそうに再び花火に視線を落とす静留になつきは呟く。 
「静留…みたいだよな…」 
「はい?」 
「キレイで優雅で…儚い…」 
「なつき…?」 
「静留」 
「なんです?」 
「来年も…これから毎年わたしと…線香花火…しよう」 
「なつき?」 
「だからその…来年も…一緒だ」 
 その思いもかけない言葉に目を丸くすると、静留はなつきを見つめた。 
 ぽとっ 
 瞬間、静留のかなり大きく育っていた花火の玉が地面に落下した。 
『あっ』 
 同時に火の玉の行く先に視線を落とす。 
 ぽとっ 
 続いてなつきの火玉も落下。 
 瞬間、2人の間に流れる静寂。 
「なつき…おおきに」 
 静寂を先に破ったのは静留だった。 
 一歩、そっとなつきに寄り添うと、頭を預ける。 
 セクハラ並のスキンシップは迷惑だと以前はよく思ったけど、時々本気で甘えてくる静留を、なつきは愛しいと感じるようになっていた。 
 なつきはくるっと首を回すと、静留の唇に一瞬…触れた。 
 自らの唇で静留の唇を感じ取る。 
 いつ…何度触れても柔らかいなと思う。 
 よっぽど予期せぬ出来事だったのか、目を丸くする静留が何度見てもかわいい。 
「うち…幸せすぎて死にそうや」 
「ばかなこと…言うな」 
「わかってます、せやけど…ホンマにそれくらい嬉しいんどす。」 
「わかったから、静留もう一本やるか?」 
 カァっと今更ながら頬を染めるなつきは、今の行動をごまかしたいかのようにガサゴソと線香花火を探る。 
「ん」 
 一本差し出しながらなつきは言う。 
「今度はどっちが最後までもつか勝負だぞ」 
「負けたらアイスどすか?」 
「そうだ!わかってるじゃないか」 
「当たり前どす、でも負けまへん」  
「わたしもだ!勝負だ静留!!」 
 
 
 結果――静留の圧勝。 
 

「アイスはええから、なつきが欲しいどすなぁ」 
 そんな冗談とも本気ともつかない願いを口にする静留になつきは悔しさからか 
 それとも照れているのか、頬を染めたままビシっと指を突きつけて宣戦布告をする。  
「来年は絶対負けないぞ!」 
 
 
――ナンボでも相手しますぇ、せやからずっと一緒におりましょうな、なつき―― 
 
 
スポンサーサイト

* 「静留×なつき」目次へ戻る
*    *    *

Information

Date:2008/08/22
Trackback:0
Comment:0

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする

Trackback

TrackbackUrl:http://moetetsu7.blog59.fc2.com/tb.php/11-40d2ab74
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

+
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。